機能性アルコール飲料で、健康になれるか?

機能性アルコール飲料で、健康になれるか?

この夏、「機能性アルコール飲料」が続々と登場している。ダイエットに効果的な糖質やカロリー控えめの製品や、通風(つうふう)の原因となるプリン体を取り除いたものなど、健康志向の高まりはお酒にまで波及しているのだ。

飲むと健康になるお酒はあるのか? ワインに含まれるポリフェノールは心臓病のリスクを低下させ、日本酒から生まれる酒粕(さけかす)が肝臓を保護することも明らかになった。適量を守れば「酒は百薬の長」になりえる健康なお酒が、登場しつつあるのだ。

■糖類よりも糖質が重要

機能性アルコール飲料には悪い機能を「減らす」タイプと、良い機能を「増やす」タイプがあり、よく見かける「糖質ゼロ」などは「減らす」タイプに含まれる。たとえば日本酒の場合、100mlに含まれる糖質は5g前後が一般的で、2合(=360ml)飲むと18gも摂ることになる。

対して「糖質ゼロ」の表示は、100mlあたり0.5g未満と定められているので、厳密には95%カットされた1.8gに抑えることができるのだ。

注意すべき点は「糖類ゼロ」の製品で、糖質よりも効果が薄い。糖質>糖類の構造が理由で、

・多糖類(三糖類以上) … 糖質 … オリゴ糖やでんぷんなど

・二糖類 … 糖類 … 砂糖や麦芽糖など

・単糖類 … 糖類 … ぶどう糖や果糖など

と区別される。糖「質」ゼロなら糖類も取り除かれているが、糖「類」ゼロは、糖質の一部がなくなっただけなので、ダイエット効果も控えめなのだ。

毎日お酒を飲むひとには「プリン体」ゼロがおすすめだ。麦芽を原料としたビールや発泡酒にはプリン体が多く、体内に蓄積すると通風の原因になると考えられている。100mlあたりに含まれる量は、ビールは5~10mg、発泡酒はその半分ぐらいが一般的だが、プリン体ゼロをうたった製品では0.00mg、つまり最大でも0.005mg未満の意味なので、少なく見積もっても千分の1まで減らすことができる。

痛風の原因とは断定できないものの、ビール派のひとや、毎日飲むひとには大変有り難い存在だ。

■フレンチ・パラドックス

逆に成分を増やすことで、健康に貢献できる製品の代表はワインだ。ポリフェノールの持つ抗酸化作用が、動脈硬化や心臓病のリスクを低減させるからだ。

これらの病気は、肉や乳製品が主食の西欧に多い。ところがワイン好きで知られるフランスは、他の西欧諸国よりも死亡率が低いのだ。心臓病や脳の血管の病気で亡くなった人数を、10万人あたりで比較すると、

・日本(2002年) … 122.9人

・アメリカ(2000年) … 241.8人

・フランス(2000年) … 172.4人

・ドイツ(2001年) … 285.2人

・ロシア(2002年) … 553.4人

と、フランスは明らかに少ない。これはフレンチ・パラドックスとも呼ばれ、ワイン(=酒)をたくさん飲むのに健康なのはなぜ?と不思議がられていたが、近年ではポリフェノールの働きだと解明されている。

これから注目すべきは日本酒だ。酒粕(さけかす)に含まれる成分が、肝臓に良い働きをすることが明らかになってきたのだ。

肝臓は体内の毒を浄化する働きをし、自然毒やウィルスはもちろんのこと、アルコールによってもダメージを受ける。なかでも、ヒアルロン酸やコンドロイチンの成分であるD-ガラクトサミンによって肝障害を起こすことが確認されている。

ところがマウスの実験により、酒粕を与えると障害が抑制されることがわかったのだ。

酒粕は、肥満やメタボの予防に効果的なのも立証されている。レジスタントプロテインと呼ばれるタンパク質の一種が肝臓の働きをよくしてくれるのだ。マウスに酒粕を食べさせたところ、

・総コレステロールの低減

・LDLコレステロールの低減

・脂質代謝の改善

が確認され、つまりは肝臓の働きを正常化し、肥満の改善に貢献していることがわかってきたので、機能性日本酒の登場も、そう遠くないだろう。

■まとめ

・機能性アルコール飲料は、健康に良い機能を高めたお酒

・健康に悪い成分を減らした製品が主流

・ワインのポリフェノールは、心臓病や動脈硬化予防に効果あり

・酒粕は肝臓に良いことが明らかになった

昔から飲まれていただけに、日本人のからだには日本酒があうのだろうから、酒粕パワーに期待するところ大だ。

ただし、アルコール性の脂肪肝炎には効果がないので、飲み過ぎにはご注意を。

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